
ワタナベ薫さん
だれかのために時間を使うことが多い大人の女性たちに、ほんの少し自分だけのひと時を過ごしながら読んでほしい「大人たちのファッション談義」は、
話題の方々にそれぞれの“ファッション哲学”について語っていただくスペシャル連載。
年齢を重ねた大人にふさわしいおしゃれとは? 今月のゲストは書籍やブログで大人気のワタナベ薫さんです。
「『変わりたい』といいつつ、
変えたくない大人たちへ」
イメチェンを恐れる女性たち
女性は、「変わる」というキーワードが好きです。
某女性ビジネス書のタイトルは、「変わる!」というキーワードが毎度、毎度使われていることから、変わることは女性たちの関心事であることがわかります。
そしてその号はやはり人気なのです。
なぜでしょうか?
それは常に向上したいという願いに加え、さらに女性は、変身願望も潜在的にあり、それは外見的な意味でも変わりたいと願っているからです。
しかし、それは深層心理の中でのこと。頭では外見を変えることにかなり抵抗があるものです。ですから、ファッションやメイクは何十年も変えていない女性が多いものです。
しかも、年を重ねれば重ねるほど、自分の装い型のようなものが決まっており、違う路線のファッションをしたり、大幅なイメージチェンジをすることに抵抗を覚えます。

しかし、もしかしたら避けていたその部分に、装いに関してのあなたの輝く宝石のような「これ!」というものがあるかもしれないのです。
若い頃はファッションもメイクも、あちこち手を出し失敗などもあったかもしれませんし、付き合う男性や女性が変わるたびに、その装いも変わっていったかもしれません。そして、ファッションの路線を変えるたびに、少しずつ、自分スタイルというものを確立してきたのです。
そのようにして女性は、40歳も過ぎますと、自分のファッションがほとんど決まっており、「これが私のスタイル!」または「似合うのはこれ!」という強い思い込みが、ファッションに関しての新しいチャレンジを阻みます。
しかも、それが正解かどうかは、自分でもわからない状態で……。
「これでいいんだろうか?」と迷いながらも、変えたくない。大幅に間違っていないところに落ち着くのもいいですが、しかし、潜在的願望は、「もっと輝きたい」「もっと美しくなりたい」「もっとオシャレしたい」というもの。
ですから、似合うとか似合わないというのを、自分で決めてしまうことをせず、時折、プロの意見に耳を傾け、そのアドバイスどおりにチャレンジして新しい装いの世界に足を踏み込むことを強くお勧めします。

違和感を超えた先にある輝き
ある女性は、ずっとコンサバ系のファッションをしていました。
派手なカラーや、メイクをすることにとても抵抗があり、できるだけ目立たない色とナチュラルメイクしかしませんでした。
ある講座に参加した時に、隣りに座った人がメイクを教えている人でした。メイクの人は彼女に、「お顔立ちが綺麗で、メイク映えしそう。もっと派手にメイクしてもいいのに、もったいない」と言いました。
その一言で、彼女は勇気を出してその人のマンツーマンメイクアップレッスンに申し込み、生まれて始めてプロにメイクをしてもらったのです。
メイクをした自分の顔を、鏡で見た途端、彼女は心の中で、「うわ!派手!無理無理無理—!」とものすごく抵抗感があったそうです。
しかし、その後予定していた友人たちとの飲み会に、勇気を出してそのままのメイクで行ってみたら…そこで友人たちの言葉で意識が変わったのです。
「うわ~~~!キレイ!こっちのずっとほうがいいよ!」と全員そう言ったそうです。その後彼女は、ファッションに関しても思い込みを外し、違う路線にもチャレンジしたのだそう。

このように、イメージチェンジや、これまでチャレンジしたことがない装いをしますと、違和感が出てくるもの。
「私には派手すぎる!」と思ったり、「似合わない」と抵抗するのです。みんなが自分を見ているような自意識過剰になるのもこの時。
大丈夫です!あなたが思うほどそんなに見ていませんから(笑)。
人は、変わったその瞬間に元にも戻ろうとする心理が働きます。ここを超えて、その他人のアドバイスどおりにみんなの前に出て、周りから褒められることでやっと「これは私に似合うんだ!いいかも!」と思えるものです。
特に40代以降は、多少派手なくらいがちょうどいい。
肉体はどんどん変化する途上にあります。その変化に併せて、メイクは薄めに変えていったり、ファッションやアイテムは少しずつ華やかに装ってみてください。
歳を重ねるほどメイクはマイナス、ファッションは少しずつプラスしていきましょう。外見的な違和感は、慣れで超えられます。

ワタナベ 薫/数々の人気書籍持つ執筆家であり、カリスマブロガー。先日発売された「凛として生きるための100の言葉」(KADOKAWA)を含め、著書累計は100万部を突破。自身のブランドを立ち上げるほどシャツとデニムをこよなく愛す。
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